レーシングライダー石塚健の市販車インプレッション! ヤマハ『YZF-R7』に乗ってみた
CEVレプソルインターナショナル選手権に参戦するレーシングライダー石塚健選手が、ヤマハ『YZF-R7』に試乗!そのインプレッションをレポートしてくれました。
MT-07をベースに開発されたYZF-R7
皆さんこんにちは!レーシングライダーの石塚健です。ヤマハが新たに発表した新型車の「YZF-R7」。その試乗会が2021年12月10日に、袖ヶ浦レースフォレストウェイで開催されたので、早速乗ってみた感想をレポートしたいと思います!
開発のコンセプトは「Fun master of Supersports」。
走る楽しさを極めるスーパースポーツということで、乗る人々にスポーツライディングや、レースの世界に興味を持ってもらうことに真摯に取り組んだモデルとなっています。
まず、外観の印象は「R1」や「R6」などと同じ、SSと一目でわかるカッコいいデザインに興奮しました。そんな新たなSSモデルということで、どんなバイクなのかとワクワクしながらコースイン。
乗ってみると、僕が知っている600ccクラスのバイクとはまったくの別物。コーナーの入り口でマシンを少し傾けると、素直にバンクし旋回していき、思いどおりに操縦できるR7は、町中の狭い曲がり角や細かな道も楽に走れる気がします。
また、試乗当日は気温や路面温度が低く、おまけに新品のタイヤが装着されていた状態ということもあって、少し慎重に走行を開始したのですが、2周を完了する頃には自然と膝が路面に付き、タイヤに対する不安感が完全に消えていました。
タイヤの温まりも良く、車体のバランスがとても良く保たれていることを実感。そして、僕が一番気に入った部分は、アクセルを開けたときのトルク感、パワー感がとてもマイルドなところです。
ある程度大きくアクセルを捻ってみても、嫌な挙動などは一切ありませんでした。
1000ccや600ccのようにフロントタイヤが浮く程のパワフルさはないので、サーキットならどんどんアクセルを開けていける、「回し切る楽しさ」を体感できるバイクです。
ここまでコンセプトどおりに作られたバイクには、初めて出会ったといっても過言ではありません。
その後は周回を重ねるごとにペースを上げつつ、乗り方、ギアの使い方、ライン取りなど、色々と試しながらも楽しんで走行することができました。ある程度無茶な操作やミスも許容範囲で、バイクに乗る上で大事な「安心感」の塊といった印象。
今回の試乗会の時間だけでは、十分に走り込むことはできませんでしたが、それでも「SS感」をしっかりと感じることができたので、次回はしっかりとセッティングを施し、サーキットで全開走行をしてみたいと思います。
ライディングポジションも、従来のスーパースポーツのような前傾姿勢のきついポジションではなく、一般道を走るにもとても乗りやすいのではないかと思います。
一般道、サーキットに関わらず、バイク初心者の人には特にオススメ。また、大型バイクが欲しいけど、取りまわしにちょっと自信がないという人や、250ccや300ccに乗っていて、ステップアップを考えているけど、600ccや1000ccはちょっと怖い。なんて人にもオススメしたい1台。
価格も100万円を切るとのことで買いやすく、若い人やステップアップに向けて楽しみながらスキルアップをするには、うってつけのモデルだと思います。
どんなシーンでも安心して楽しめる『YZF-R7』。是非、皆様も体感してみてください!
Writer: 石塚健
(レーシングライダー)埼玉県出身の28歳。3歳からポケットバイクに乗り始め、ロードレースというオートバイ競技に参戦。現在は世界各国で活躍できるライダーを目指して日々、活動中。 2019年から、ヨーロッパでおこなわれる「FIM CEV REPSOL Moto2ヨーロピアンチャンピオンシップ」への挑戦を開始。2024年は「FIM 世界耐久選手権」のトップカテゴリーとなるEWCクラスに、スロバキアのMaco Racing Teamより参戦します。スポンサー募集中!応援よろしくお願いします。